
売り込まないクロージング
お客様と信頼関係が築けて、親しくなったとしても、契約をいただくことができなければ、営業の仕事としては不完全です。面談商談の結果、商品のプレゼンテーションをし、お客様のニーズにマッチする提案ができたと思うならば、タイミングを逃さず、クロージングをかけます。クロージングは、プロポーズと同じです。プロポーズして初めて相手の本心がわかるもの。だからこそ、その時期の見極め方や本心を引き出す質問を駆使し、売り込まれていると感じさせないようにしたいものです。
プロポーズを恐れない
クロージングとは、ラポールを築いた見込み客から、最終的なイエスをもらうために、答えを絞りこんでいく作業です。契約をしてもらえるのかどうか、最終的な結論を求めることになるため、「プロポーズ」のようなものと捉えるとよいでしょう。
成果が出ない営業パーソンは、「何度かの面談がいい雰囲気だったのに、ここで下手にクロージングをかけて断られるのは怖い・・・」と思い、なかなかクロージングをかけられません。しかし、クロージングをかけてみないと、本当の見込み客かどうかも分かりません。見込み客でないことがわかれば、また次の見込み客を開拓すればよいのです。その際には、もちろん、各種マーケティングツールを駆使しましょう。
クロージングの時期を見極める5つの条件
初回面談でもクロージングをかけることはできます。次回のアポを取るという行為が、相手の意思を確認し、答えを求めるという意味ではある種のクロージングだからです。
何度かの面談を経てクロージングをする場合は、次の条件が揃ったら、速やかにクロージングをかけましょう。
①お客様との信頼関係を築けた
②お客様のニーズを聞き出せた
③お客様のニーズに合う提案ができた
④お客様はこの商品・サービスに興味がある
⑤交渉している相手に決裁権がある
質問を使い分けて、本音を引き出す
クロージングに至るまでの面談で、できる営業パーソンは、どのようなやり取りをしているのでしょうか?商品のプレゼンをして、買ってくださいとお願いし、相手を強引に説き伏せて買わせるのでは、不信感しか残りません。必要なのは、相手が納得していくプロセスです。この時に有効なのは、質問のテクニックです。オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの二つです、前者は、話題を拡げるもの、後者は話題を狭めていくものです。この二種類の質問を使い分け、お客様の本音を引き出していきましょう。
尋問にしない、質問のテクニック
質問をして会話を進める場合でも、相手が嫌な気分になることがあります。それを避けるには、質問していいことと、そうでないことを理解して、適切な順序やタイミングで質問をすることが重要です。ついつい、自分が聞きたいことだけを矢継ぎ早に質問すると、尋問のようになり、相手に嫌がられます。だからこそ、最初の段階で前置きをすることが重要です。具体的には、「よりよいご提案をさせていただくために、いくつかお伺いしたいことがあります。質問させていただいてよろしいですか?」「初めに5つほど、続けて伺ってもよろしいですか?」「今日は限られたお時間ですので、お尋ねしたいことをまとめて参りました。少々ご面倒かもしれませんが、お聞きしてもよろしいですか?」等です。
質問力を向上させるポイント
質問力をさらにアップさせるには、契約に近づいていく質問をしましょう。営業パーソンとして成果を出すという目的を達成できるよう、繰り返し練習をし、習得しましょう。なぜなら、質問を少し工夫するだけで、相手の心証が大きく変わるからです。そして、相手が万が一断ってきた時には、相手の言葉は強調せずに、別の視点に切り替えましょう。一度や二度断られたくらいで引き下がってはいけません。
小さなイエスを沢山もらう
もしも、ノーの返事をもらったら、どのようにしたらよいのでしょうか?ノーの返事を突き詰めたり、否定したり、無視するのは避けましょう。ノーの返事は突き詰めずに、クッション言葉と疑問形で小さなイエスをもらいながら、会話を進めましょう。特にネガティブな意見は、肯定的なクッション言葉で受け止めます。また、会話のテーマや視点をずらして、イエスがもらえそうな質問を繰り出していきましょう。
断られた時の対応方法
お客様から断り文句を言われることがあります。特に、最初は断られることがほとんどでしょう、そのノーを全部真に受けて落ち込んでいては、何一つ売ることができません。お客様はノーと言うものなのです。どのように対処すればいいかというと、質問話法を使います。まずは、「率直なご意見ありがとうございます」と肯定的なクッション言葉で受け止めます。そして、大切なことは、契約に近づくよう、質問の質を常に勉強することです。
今より成果を出すには?
努力と工夫を重ねると、結果は変わります。今と同じことを続けていれば、今と同じ未来しかやってきません。他人と過去の事実は変えることはできませんが、自分と未来は変えられる可能性があるのです。
自分の可能性に蓋をせず、未来を自分自身の手で切り拓いていきましょう!背伸びは、やがて身の丈になるからです。そのためにも、営業活動を通じて多くの経験をし、顧客から評価される方法を意識して身に付けましょう。不明な点があれば、先輩や上司に相談し、教えを忠実に実践し、成果に繋がる活動をすることが重要です。