導入事例Case Study

  • 建設・不動産

全国最下位だった支店が、挨拶の徹底で生まれ変わった。業績・お客様満足度でトップを獲得。

積水ハウス株式会社様

事業内容
建築工事の請負・および施工、建築物の設計及び工事監理、地域開発・都市開発など
ホームページ
https://www.sekisuihouse.co.jp/

一人ひとりは力を持っているのに、同じ方向を向いていない

第一印象を制する人がビジネスを制する。人は会った瞬間、6~7秒で「快」「不快」を決めてしまう。その印象を覆すのは至難の業。

積水ハウス株式会社執行役員の松島 雄一氏は、支店長時代に接客改善・印象力向上を徹底して行い、支店を最下位の成績から全国一位に導いた実績をお持ちです。その際、弊社も研修を担当させていただきました。

今回は、当時研修を担当した朝倉自身がインタビュアーとして行った、ディスカッションの様子をお伝えいたします。

全国最下位だった支店の問題点

研修を行うことを決断されたきっかけは、何だったのでしょうか?

執行役員 松島 雄一様(以下、松島様)私が支店長に就任したとき、その支店は全国140支店の中で業績が最下位でした。

当時、支店には150人の社員がいましたが、どの社員もあまり覇気がありませんでした。一人ひとりは力を持っているのに、同じ方向を向いていないんです。

150人のうち30人でも斜めを向いた社員がいれば、マイナスに引っ張られます。だから、私は皆のベクトルを合わせたいと考えました。

「全員での挨拶」が、状況を一変させた

松島様の支店は驚くほど業績を上げられ、またお客さまが評価する指標でも全国でトップを取られました。そうなるまでの過程をお教えいただけますか。

松島様最初はとにかく、全員が同じ研修を受けることにしました。

150名の社員を5回に分けて30名ずつの研修をスタートさせ、同じモチベーションが保てるように指導していただきました。

そこで指導していただいたのは、挨拶です。お客さまは主にショールームにいらっしゃいますが、支店には取引業者さまなどがいらっしゃいます。

そこで支店に来客があったとき、一人が「いらっしゃいませ」というと、全員が先ほどのように体ごと相手に向けて立ち上がってから「いらっしゃいませ」と、笑顔で、大きな声で挨拶するようにしたのです。中には「なんでこんなことをするのか」と思っていた社員もいたと思いますが、挨拶に要する時間はほんの数秒。仕事に差し支える時間ではないから、ぜひやろうと決めたのです。

「全員での挨拶」を継続するうちに、支店に来た方々がいろいろなところで評判を話してくれて、

「あの支店に行くと気持ちいいよ」

「行ってごらん、本当に感じのいい支店だよ」

「あの支店に、また行きたいね」

といった話がどんどん口コミで拡がっていきました。

支店の社員も「そういうふうに思ってくれていたんだ」と、自分たちも楽しくなってきて、進んでやるようになったのです。楽しくなってやるということが、とても良かったように思います。そしてそれがごく当たり前のことになっていきました。

そのうち業績はみるみる上がり、1年後には全国の支店で一番になりました。お客様の満足度でも、ダントツで全国トップになりました。やはり、すべての姿はつながっていると実感しました。

「売り手良し、買い手良し、世間良しの三方良し」の精神

営業研修も受講されていますが、こちらはいかがでしたか。

松島様:営業は60名いましたが、そのうち営業成績が低迷していた14名に研修を受けてもらいました。期間は5ヵ月間で、月2回の指導。すると3ヵ月目くらいからみるみる成績が上がっていきました。今もデータは取ってあるのですが、14名の成績が次の半年には1.6倍にもなったのです。

この研修がよかったのは、1回で終わらなかったことです。継続して半月ごとにやっていくことで、5ヵ月間ずっとモチベーションを保て、営業に関する考え方を浸透させることができたと思います。成績の悪かった社員が伸びてくると、その上にいる社員たちも頑張るようになる。研修を行ってからの3年間は、とてもよい状態にあったと思います。

いま考えれば、研修を通じて社員たちが感じたのは、近江商人でよく言うところの「売り手良し、買い手良し、世間良しの三方良し」ではなかったかと思います。自分から挨拶することで、お客さまがその評判を話してくれ、それがまた周ってきて自分に返ってくる。自ら身をもって行動することの意義を、社員がわかってくれたことがよかったのだと思います。

「私は真剣に会社のことを考えている、あなたにも考えてほしい」

松島様は研修会社を選ぶときに、何を決め手にすればよいと思われますか。

松島様:私が自分を顧みて思うことは、会社で立場が上がり、部下を持っても、その部下は自分の所有物ではないという意識が大事だということです。一時的に会社から社員を預かって、そのメンバーで業績を上げるように求められているのです。それを勘違いしていると、部下に横柄な言葉遣いをしたり、パワハラをするような人が出てきます。

例えば、部下が話をしにきたら、ダメな上司は横柄な態度を取ってしまいます。しかし、部下との間柄は人対人ですから、きちんと相手を尊重する。自分も立ち上がって「どうしたんだ」と声をかけ、目を見て話を聞く。こういう姿勢があれば、部下は一生懸命働いてくれるようになると思います。

朝倉さんに研修を依頼するときにお願いしたのは、

「私は真剣に会社のことを考えていますから、朝倉さんも真剣にうちの会社のことを考えてもらえますか」

ということでした。それから社員たちをどんなポジションに持っていきたいか、その目標をお伝えしました。そして期限を切って、いつまでにどんなポジションまで持っていきたいかを伝える。そこで、できること、できないことを真剣に話し合いました。やはりしっかり話をすることが大事だと思います。

そして、できるだけ具体的に研修後の姿を想像して依頼することも大事です。積水ハウスであれば展示場がありますので、ここにお客さまが来られたときにどのような接客をしてほしいとか、そういう具体的なお願いをすることが大事です。

また、朝倉さんの対応でありがたいと思ったのは、会社のことをよく調べて、業界にあったやり方で研修してくださったことです。展示場の中で、接客指導をしてくださった講師もいらっしゃいました。このような教え方の配慮が、業績アップに直結したのではないかと思います。

担当者も一緒に研修を受けることが重要

研修を依頼するときに、企業側が注意すべきことは何かありますか。

松島様:研修を受ける側の注意点としては、例えば私が責任者で研修をお願いしたとしたら、私自身も研修に参加するということが大事だと思います。そして一緒に受けた後に、社員たちに「今の研修はどうだったか」と声をかけて話をするのです。

もう一つ大事なことは、研修後も研修で使われた言語を使って話をすることです。研修の講師が使われた言葉を、上司も同じように指導で使うことで、社員も研修のことをいつまでも忘れないようになります。それだけ教えの浸透度合いも違ってきます。

担当講師からのメッセージ

朝倉千恵子 (※研修実施当時)

起立、挨拶、着席を軽んじる人もいます。

「なぜこんなことをやらなくてはいけないの?」

「これに何の意味があるの?」と。

しかし、誰でもできる当たり前のことを、しっかりとやることに意味があるのです。自分から挨拶することは、最終的には自分本位ではなく、相手本位で何ができるかと考える礎になっていきます。

人に挨拶するときは、きちんと相手に体ごと向けて姿勢を正し、背筋を伸ばしてお尻を引くようにお辞儀をする。

たったこれだけでお客様の印象が大きく変わる、松島様は社内での教育を通じてそのことを実証されました。

積水ハウス株式会社様の事例からは誰にでもできる当たり前のことを徹底して行うことの大切さを理解していただけたのではないかと思います。今多くの仕事がIT化されていますが、これから人に求められるのは究極のアナログ力かもしれません。

掲載内容はクライアント企業様へのインタビューを基に作成をしております。
一部を弊社にて選別・編集しておりますが、内容の正確性には十分配慮をしております。

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