営業の仕事をしていると、お客様から断り文句を言われたり否定的な言葉を言われてしまって、こまったという経験はありませんか。
ここでは、そうした場面で役立つ「切り返しトーク(応酬話法)」について解説します。
お客様は断るものだと考えてみる
お客様とは、そもそも断るものだと捉えていれば、「ノー」と言われた時に落ち込むことはありません。ノーを全部真に受けて落ち込む必要はないのです。
お客様から「おたくの商品は高い」と言われたら
質問話法が有効です。クッション言葉で受け止めて、質問で切り返していきます。
クッション言葉は、お客様のノーを否定せず、まずは「かしこまりました」「さようでございますか」「言いにくいことをおっしゃっていただいて、ありがとうございます」「率直なご意見、ありがとうございます」といった、肯定的な言葉を用います。
事前準備が大切
肯定的なクッション言葉で受け止めたら、契約に向かう、前へ進む質問を展開していきましょう。そうすることで、断った本当の理由を引き出すことができれば、もう一歩踏み込めるチャンスも巡ってくるもの。だからこそ、相手の本心を聞かずに、一度や二度断られたくらいでひるんでいてはダメなのです。
そこためには、契約に近づくような質問の質を常に勉強することが不可欠です。「こう言われたら、こう返す」というトークを紙に書き出し、実際に口に出して反復練習を行いましょう。
ビジネスシーンでの適切な身のこなしや表情とは?
反復練習の時に、質問(トーク)と同じくらい重要なのが、身のこなしと表情です。
お客様「おたくの商品高いよね」
営業担当者「さようでございますか。高いからこそのメリットがございます。3点お伝えしてもよろしいでしょうか?」
とトーク展開をする時に、目線は「対等目線」ではなく、常に前のめりで顔ごと見上げる「敬い目線」で、身を乗り出すようにして「もっと話をきかせてください」という伝わるようにします。そして、声には抑揚をつけることが重要です。
悪い身のこなし、表情とは?
それでは、悪い身のこなし、表情とはどのようなものでしょうか?
①横柄そうに見られてしまう
背中を丸めることで、話す時に顎があがりやすくなります。その結果、上からお客様を見下ろす、「見下し目線」になってしまいます。また、無表情で話すと、声も一本調子になり感情がこもっていないように感じられる。その結果、自分が言いたいことだけを伝える、相手の話を聞かない、マイナスの印象を与えかねません。
②自信がなくオドオドしてみられてしまう
目に力がなく、下から見上げるような目線は、「オドオドしている」という印象を与えます。また、それによって言葉の説得力が失われ、「この営業担当者の言っていることは大丈夫かな?」と相手を不安にさせてしまいます。そうすると、商品やサービスの魅力も褪せて見えてしまい・・・ということになりかねません。
どのような切り返しトークを作ればいい?
質問(トーク)には、「いい質問」と「悪い質問」があります。「いい質問」とは、自社にとって有利で、徳で、メリットがあり、プラスになるような肯定的な質問です。営業担当者の皆さんの最終的なゴールは「契約」ですから、「契約に近づいていく質問」が「いい質問」です。どんな質問がいい質問かを常に考えて、ロールプレイングで練習していきましょう。
まとめ
「お客様は断るもの」と思って、一度で諦めないのが肝心です。断り文句を言われた時は、クッション言葉と質問で切り返しましょう。