この記事は、「新入社員研修」を検討している人事担当者向けに、新入社員研修のよくある「失敗&NG例」を6つ紹介しています。
「失敗&NG例」から紐解いた「失敗しないためのコツ」は以下のとおりです。
- ①座学中心をやめ、アウトプット前提のアクティブ設計にする
- ②研修目的を明確にし、冒頭で必ず共有する
- ③フィードバックは「指摘のみ禁止」で、「肯定→改善→期待」の順番で伝える
- ④厳しさの「目的」を説明し、納得感を持たせる
- ⑤パワハラ懸念で「注意できない」状態をなくす仕組みをつくる
- ⑥研修後の「フォロー体制」を必ず設計し、孤立を防ぐ
- ⑦上司・先輩・講師の「役割分担」を明確にする
以降の章で詳しく解説していきます。
新入社員研修を「上手く行うコツ」全般については以下の記事にまとめています。
1.新入社員研修のよくある「失敗・NG」例 6つ
具体的に、新入社員研修でよくある失敗・NG例としては、以下が挙げられます。
- ①「座学×詰め込み型」の講義スタイル
- ②新入社員に「研修の目的」を共有していない
- ③フィードバックが「指摘」のみ
- ④社内研修が厳しく、新入社員の離職につながっている
- ⑤「パワハラ」を恐れて注意ができず、研修効果が得られていない
- ⑥研修後のフォローができておらず、新入社員が孤立・放置されている
新入社員研修を検討する際によくある「失敗・NG」例を知っておけば、実施時に失敗の回避・対策ができます。
また、なぜそれらが失敗・NGとなるのかという「理由」や「本質」を理解できると、結果的に効果的な新入社員研修が実施できるようになります。
上記の失敗・NG例に共通する理由は、主に以下の3点です。
- 研修の目的が欠如しており、形骸化した研修になっている
- 心理的安全が確保できていない
- 対話ではなく、「受け身」の研修となっている
ことが共通して挙げられます。
それぞれ簡単に解説します。
失敗・NG例①「座学×詰め込み型」の講義スタイル
「失敗・NG」となりやすい理由
- 知識の「インプット量」だけを重視し、「使える・活かせる」状態(アウトプット)まで設計されていない
- 新入社員が長時間受け身でいることで集中力が低下、理解が浅くなる
座学×詰め込み型の講義スタイルだと、理解した気になりやすく、現場に出た際に研修が活かされず学び直しとなるケースが多く見られます。
回避するために、以下のような対策がおすすめです。
対策
- 講義ではなく、アクティブラーニング型を採用する
- 90分を超える座学は分割し、演習・ディスカッションを必ず挟む
- 学んだ内容は「現場でいつ・何に活用するか」を明文化しておく
失敗・NG例②新入社員に「研修の目的」を共有していない
「失敗・NG」となりやすい理由
- 学ぶ理由が不透明なために、学習意欲・自己効力感が低下
- 現場で活かすシーンが想像できず、身につかない
新入社員は、なぜ自分がそれを学ぶ必要があるのか理解できていないと、「知識」に留まってしまったり、「受け身」となって分からないことを放置してしまったりしがちです。
回避するために、以下のような対策がおすすめです。
対策
- 研修初日に、なぜ学ぶのかをしっかり理解させる
- 各セッションの冒頭で「この時間の目的」「仕事でどう役立つか」を発言させる
失敗・NG例③フィードバックが「指摘」のみ
「失敗・NG」となりやすい理由
- 特に「Z世代の新入社員」は指摘=欠点や人格否定だと感じ、モチベーションが下がって、心理的安全性も低下する
- 改善ポイントを指摘されるだけの「受け身」姿勢を助長してしまう
指摘のみだとよかった部分が理解しづらく、モチベーションが保てず、心理的安全性が下がりがちです。
特に社内で研修を行う場合、「指摘ばかりで、上司が怖い」と信頼関係に傷がついてしまうことも。
対策
- 厳しい部分は、外部講師に委託し、上司・先輩は安心できる存在へと役割分担をする
- 「よかった点→改善点→期待する行動」の順で、バランスよく伝達する
- 本人に自己レビューをさせて、自省も含めながら対話によって改善点を見出す
失敗・NG例④社内研修が厳しく、新入社員の離職につながっている
「失敗・NG」となりやすい理由
- 特にZ世代は「叱られる」「注意される」という経験が少なく、対面での厳しさに慣れていない
- 現場でもこの厳しさを味わうのかと感じてしまい、折れてしまう
成長のための「適切な厳しさ」は必要ですが、伝え方やタイミングに配慮がされていなければ、恐怖心や苦手意識を植えるのみになってしまい、離職に繋がってしまうことがあります。
対策
- ただ厳しくするのではなく、なぜ必要なのか「目的」を共有する
- 厳しい部分は、外部講師に委託し、上司・先輩は安心できる存在へと役割分担をする
- フォローアップ体制を整えて、「見守られている」「相談できる」存在を確保する
新入社員の「離職防止」につながる研修を行うコツについては、以下の記事で詳しくまとめています。
さらに、離職・退職防止につなげるための「面白い研修」事例を以下の記事で紹介しています。
失敗・NG例⑤「パワハラ」を恐れて注意ができず、研修効果が得られていない
「失敗・NG」となりやすい理由
- 指導が甘くなってしまい、組織のパフォーマンスが落ちる
- 研修で学んだことが現場で使えず、新入社員がギャップを感じてしまう
- 他社員との不公平感が生まれ、社内の士気が下がる
「パワハラを恐れて注意できない」という状況は、放置すれば本人・組織両方にとって損失につながります。
離職を防ぐために「優しく」と考えていても、むしろ現場とのギャップを感じて離職希望が増えてしまうことも。
対策
- ロールプレイ中心によって、知識に留まらず、体で覚えられるような指導を行う
- 厳しい部分は、外部講師に委託し、上司・先輩は安心できる存在へと役割分担をする
失敗・NG例⑥研修後のフォローができておらず、新入社員が孤立・放置されている
「失敗・NG」となりやすい理由
- 新入社員が分からない点があっても、質問や相談へのハードルを感じて離職に繋がってしまう
新入社員は、自信のなさや新しい環境への不慣れさから「受け身」になりやすく、相談しづらい状況が続くと「放置されている」と感じ、離職を選ぶ傾向があります。
そのため、落ち着いた環境の中で話せるタイミングや体制をあらかじめ整えておくことが重要です。
対策
- フォローアップ研修を取り入れて、新入社員が質問や相談ができるタイミングを作る
新入社員の「フォローアップ研修」を行うコツと実施例については、以下の記事で詳しくまとめています。
2.新入社員研修を「失敗しない」ためのコツ
「失敗・NG」例から紐解く、「失敗しないためのコツ」をまとめると以下のとおりです。
- 座学中心をやめ、アウトプット前提のアクティブ設計にする
- 研修目的を明確にし、冒頭で必ず共有する
- フィードバックは「指摘のみ禁止」で、「肯定→改善→期待」の順番で伝える
- 厳しさの「目的」を説明し、納得感を持たせる
- パワハラ懸念で「注意できない」状態をなくす仕組みをつくる
- 研修後の「フォロー体制」を必ず設計し、孤立を防ぐ
- 上司・先輩・講師の「役割分担」を明確にする
新入社員研修を失敗しないためには、研修の目的を明確に共有し、学びを現場で使える形に落とし込む設計をすることが大切です。
そのうえで、座学中心を避けアウトプットが伴う構成にし、さらに指摘のみにならないフィードバックで心理的安全性を守りましょう。
また、厳しさの理由を説明し、外部講師と上司の役割を分けることで納得感と安心を両立させます。
さらに、パワハラ懸念で注意できない状態を解消する仕組みづくりと、研修後のフォロー体制で孤立を防ぐことが成功の鍵です。








