
本記事は、新入社員研修を企画・準備する方に向けて、「退職・離職をふせぐ」効果が期待できる「面白い新入社員研修」の事例を紹介しています。
新入社員研修を「上手く行うコツ」全般については以下の記事にまとめています。
また、以下の記事では「退職や離職防止につながる」新入社員研修を実施するコツについて詳しく解説しています。
1.新入社員にとって「面白い新入社員研修」が必要な理由
一般的に今までの新入社員研修は、「座学」や、「失敗によって学びを得る指導」が中心でした。
しかし近年の新入社員、特にZ世代はインターネットやSNSが当たり前に存在する中で育った世代です。
そのため、単に講義を聞くだけのスタイルでは
- 受動的に情報を浴びて育ってきたため、考えずにただ情報のシャワーと化してしまう
- 対面でのコミュニケーションに慣れておらず、質問することが怖い
- 分からなくても、そのまま放置してしまう
などの問題が起きやすく、モチベーションや学びの定着率が極端に低くなりがちです。
今まで通りの方法(座学や、失敗によって学びを得る指導)は通用しなくなっています。
そこで今、特に注目されているのが、「面白い」「体験型」といったキーワードです。
2.「面白い新入社員研修」とは
具体的に、新入社員にとって面白いと感じられる研修は
- 「面白い」「楽しい」と感じる体験(小さな成功体験)がある
- ゲーム感覚で楽しみながら「考える」癖をつけられる
- 実際の仕事で活きると感じられる「実践型」
などの、体験・要素を織り交ぜることが大切です。
これらを織り交ぜた面白い新入社員研修ができれば
- 退職・離職の防止
- 現場で活きるスキルの習得
- 自主性の向上
- 不正・不祥事の抑制(企業理念の理解による)
などの効果が期待できます。
特に近年の新入社員は、勤務環境等がいくら整っていても「研修や仕事内容」によって、離職を決断するタイミングが早くなっています。
「面白い新入社員研修」を取り入れる事で、まずは「続けたい」「ここで頑張りたい」と感じさせることは不可欠です。
効果的な研修を設計して、早期に職場に適応できるような基盤を整えましょう。
3.新入社員研修のアイスブレイクにおすすめの面白いネタ集 5選
以下、新入社員研修のアイスブレイクにおすすめの「面白いネタ」を5つご紹介します。
新入社員が興味を持って参加しやすいゲーム形式を採用しつつ、かつ業務にも自然な形で役立つような内容を厳選しています。
- ①「言葉だけで伝えてみよう」ゲーム
- ②「これ、どう受け取る?」ゲーム
- ③「自分の第一印象、当ててみよう」ゲーム
- ④「正解のない選択」ゲーム
- ⑤「ちょいズレ探し」ゲーム
このアイスブレイクの目的は、新入社員が感じやすい緊張や「失敗してはいけない」という気持ちをやわらげ、安心して話せる雰囲気をつくることにあります。
早い段階で場に打ち解けられることで、不安や孤立感を抱えにくくなります。こうした小さな安心感の積み重ねが、職場になじめず辞めてしまうリスクを下げる効果につながります。
以下、それぞれの内容を解説します。
① 「言葉だけで伝えてみよう」ゲーム
内容
お題のイラストや写真を見た1人が、言葉だけで内容を説明します。
グループの他の人はイラストなどを見ずに、その説明を聞いて絵を描いたり、内容を想像したりして共有していきます。
全員で共有できたらクリア、できなかったら「どこでズレたのか」を最後に確認します。
おすすめの理由
「ちゃんと説明したつもり」でも、意外と伝わっていないことを自然に体感できます。
ゲーム中に笑いが起きやすく、かつ説明の順番や言葉選びの大切さを押しつけ感なく学べるため、新入社員にも馴染みやすい内容です。
② 「これ、どう受け取る?」ゲーム
内容
「後でやっておいて」「なるべく早く」など、日常でも使いがちな言葉を提示し、「どう受け取る?」を選択式で答えます。
正解は決めず、「感じ方の違い」を共有します。
おすすめの理由
指示や言葉は人によって受け取り方が違うことを、軽いクイズ形式で実感できます。
注意される前に「確認する」「聞き返す」意識が自然と芽生え、受け身から抜け出すきっかけになります。
③ 「自分の第一印象、当ててみよう」ゲーム
内容
グループで「最初に会ったときの印象」をそれぞれ書き出し、本人に共有します。良い点だけを伝えるルールにして、答え合わせします。
おすすめの理由
「自分がどう見えているか」を安心した雰囲気で知ることができます。
表情や声の出し方を意識するきっかけにもなり、対面コミュニケーションへの苦手意識を下げる効果があります。
④ 「正解のない選択」ゲーム
内容
「どっちを先にやる?」「AとB、今選ぶなら?」といった日常レベルの選択肢を提示し、理由をグループで共有します。
仕事っぽくしすぎないお題がポイントです。
おすすめの理由
正解がない場で考えを言葉にする練習になります。
「間違えたらどうしよう」という不安が減り、自分の考えを出してもいい、という空気づくりにつながります。
⑤ 「ちょいズレ探し」ゲーム
内容
短い会話文や説明文を配り、「ちょっと分かりにくい」「違和感があるところ」を探します。
1人でもグループでもOKです。
おすすめの理由
細かいミス探しではなく、「相手目線」を意識する練習になります。
責められる要素がなく、楽しみながら気づきを得られるため、新入社員でも参加しやすい内容です。
4.面白い新入社員研修の事例(ネタ)集 5選
ここでは、従業員1,000人以上で「離職者が少ない大企業」として、知られている企業を5社選び、各社で採用されているユニークで面白い新入社員研修事例をまとめました。
「縫製研修&ブランドPRプレゼン」 (株式会社ゴールドウイン)
- 縫製研修(服作り)
- ブランドのPRプレゼンテーション
- 実際に自分たちで服を作る工程を体験しながら、服が完成するまでのプロセスや技術を実践的に学ぶ
- 自分たちが作ったブランドをどう魅力的に伝えるかを考えるPRプレゼンテーションの実施
- モノづくりの知識習得
- 実務に直結する発信力
- 課題解決力
株式会社ゴールドウインは、スポーツウェアやアウトドア用品の販売を行っているアパレルメーカーです。
座学だけでは理解しづらい「モノづくりの奥深さ」を、体感を通じて深く理解できる仕組みです。
得た知識や体験をもとに
- どのようにブランドの「良さ」を分かりやすく伝えるか
- どうすればより多くの人に受け入れてもらえるか
を試行錯誤しながらプレゼンすることで、実践的な発信力も養います。
単なる作業で終わらず、知識の定着と実践力の向上を両立したユニークな取り組みです。
「MANZAI研修」 (バンダイナムコエンターテインメント)
- 即席のペアでオリジナルの漫才を行う
- 自社理解(マインドやバリューに関する)
- コミュニケーション能力の向上
- 積極性の向上(度胸を身につける)
- 課題解決力
ネットワークコンテンツ、家庭用ゲーム会社で知られるバンダイナムコエンターテインメントは、ゲーム感覚で楽しめる新入社員研修を多数採用しています。
MANZAI研修は「殻を破って、今の自分を超える勇気」を養う目的で採用されました。
お笑いという楽しいアクティビティでコミュニケーション力や度胸を培う点がユニークで、研修後には「同期の意外な一面を知り仲良くなれた」といった感想も出ています。
この他にも、バンジージャンプ研修などゲーム会社らしい遊び心あるプログラムを実施しています。
「農業研修」 (伊藤忠商事株式会社)
- 現地で、農業支援のボランティア活動を行う
- 農作業
- 地域の特産品を使ったグルメ商品開発を行い、商品開発の過程を経験する
- コミュニケーション能力の向上
- 課題解決力
伊藤忠商事株式会社は、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料など幅広く取り扱う総合商社です。
オフィスから離れて実際に普段は経験しない「農作業」を行い、生産過程を体感するという点がユニークな研修です。
グルメ品の開発は、試食を作って地域の方々の審査で最優秀作品を決定!
その後、模擬店等での提供を重ね「大槌町のグルメ商品」となるよう育て上げます。
「竹とんぼ作り」 (TDK株式会社)
- 3人1組で「売れて儲かる日本一の竹とんぼ作り」を行う
- 定められた品質基準(滞空時間3.5秒)を満たし、お客様が欲しいと思うような竹とんぼを作る
- 企画した商品内容を基に必要書類を実践的に作成。
作成した資料を使って社内審査をする等、TDKのもの作りの製造過程を体感できるようになっている - 最終的に、竹とんぼを実際に飛ばす「竹とんぼショー」と「販売会」が開催
- スケジュール管理能力の向上
- TDKの実践の作業工程のノウハウ習得
- 課題解決力
- 考える力の習得
TDK株式会社は、総合電子部品メーカーです。
企画立案・試作・製造からプレゼン・マーケティング(擬似資金による投票)まで、製品開発の一連の流れを体験するのが目的の研修です。
コンテスト形式で、実践的なスキルを楽しみながら学べる点がユニークで、自ら考えて行動できる自律型人材の育成をかなえています。
「森林整備体験研修」 (サントリー)
- 森林で、木や土壌の環境整備を行う
- 商品に使用している「水」の水源となる森林を守るために、木の伐採などの整備活動を行う
- 企業理念の理解
- コミュニケーション能力の向上
サントリーは、清涼飲料、ビールなど、幅広い酒類・食品事業を手掛ける大手総合飲料メーカーです。
実際に現地に出向き、手を動かしながら「水」と「森林」の大切さを実感し、商品が作られるまでの過程を学ぶことがができます。
座学では、味わえない実感を通してスキル面以外に
- その後、習得した知識を「自分事」として捉える
- 理念浸透による、不祥事の抑制
をするためのユニークな取り組みです。
【番外編】「Future Compass研修」 (アズビル株式会社)
アズビルは離職者が少ない企業として知られていますが、新入社員に限らず若手の社員向けに、以下のようなユニークな研修を行っています。
- 自社の目指す未来を自由に描いていく研修
- 10~100年先のアズビルの目指すべき自社の未来像を描く研修で、正解のない未来課題についてチームで議論する
- 創造力
- 課題発見力
- 課題解決力
- 自社知識の習得
アズビル株式会社は、空調制御など総合オートメーションを開発している会社です。
正解がないテーマで自由に発想させて、ゲームのようにアイデアを出し合い、従来の常識にとらわれない「考えるクセ」を育てます。
研修カリキュラムの作り方を具体的に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
4.面白い新入社員研修を実施するコツ
面白い新入社員研修を実施するコツとして、以下が挙げられます。
- 新入社員研修の目的を共有しておく
- ステップは小さく!成功体験を積ませる
- 厳しさは「外注化」!上司や先輩への安心感を確保
興味を持ってもらうためにゲーム感覚の「面白い研修」にしようとしすぎるとむしろ緊張感が薄れ、甘くなってしまうことも。
どんなことを身につけてほしいのかという目的を、新入社員達にしっかり共有することで、理解してもらうことが大切です。
また近年、外部業者に委託するなど、「厳しさの外注化」によって社内の信頼関係を守る工夫が注目されています。
新規開拓の「新入社員研修」では、世代の傾向に合わせた方法でやる気を引き出し、現場で使える実践訓練で丁寧な指導をします。







