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新人研修期間の決め方のポイントを紹介します!

2022.01.14

新人研修の期間の平均はどのくらいでしょうか

国内のある研究機関の2020年のアンケートによりますと、新入社員研修の実施期間については「1週間程度」が最も多く約20%、「2週間程度」「1ケ月程度」「2ケ月超」が、ともに15%を超えると言われています。

当社をご利用いただく企業様においても、1週間程度~1年と幅があり、ビジネスマナーを中心とした新人研修の場合は2か月程度が多いです。ビジネスマナー研修を基礎編として、更に営業スキルの応用編の研修を実施する等の場合ですと、3ケ月~1年間の集合型(オンラインも含む)研修を導入する企業が増加しています。また、いずれの場合でも、職場でのOJT指導といった手法を併用するケースが大半です。

1年間の育成期間の計画を立てておき、最も成功したやり方は次年度も継続し、それ以外は見直す、改善するなどのPDCAを回しましょう。計画を立てるのは、内定者が決まる秋口頃の時期が多いと言われています。

大企業と中小企業で期間の違いはどのくらいあるのでしょうか

同アンケート調査結果によりますと、企業規模が大きいほど研修期間が長期となる傾向が見られます。また、「3週間~2ケ月超」の比較的長期間研修をする企業の割合は、大企業、1,000名以下の中堅企業、中小企業において60%弱~40%強までと差があると言われています。

一方で、2019年と比較すると、企業規模による差異は縮小傾向にあるのも分かっています。これは、人材採用環境が年々厳しさを増しているからこそ、せっかく入社した人材は早期に退職することのないよう、適切かつ丁寧に育成しようとする企業側の姿勢の表れかもしれません。

新人研修の期間の決め方のポイント

研修期間(時間や日数)の決め方のポイントとしては、主に以下のものが考えられます。

1.集合型で教えることと、現場で教えることを分ける。集合型で行った方が目的を達成でき、効果が得られるものを優先的に行っていく。例えば、ディスカッションや、よくある事例の共有、ケーススタディ等

2.新人が内容を理解し、習得するまでの時間を想定し、組み立てる

3.受講アンケートを取り、時間の妥当性を測る。または、過去の新人のアンケート結果から仮説を立てる。

4.実際に研修時間が不足した場合は、フォローアップ研修を追加で計画する、または集合研修以外のフォローアップを検討する

5.一日にカリキュラムを詰め込み過ぎないよう研修プランに配慮する。人間の集中力は、一般的に最大でも90分と言われる

6.予算と効果に見合う研修形態を探る(オンラインか、対面か。社内か社外か 等)

社内(人事総務)と、社外の使い分けについて

1.新入社員研修ならば、自社内で行っている企業も多いです。また、そうではなく、社外の研修を取り入れている企業の多くは、一般的なビジネスマナーは社外(研修会社や、個人講師)、自社独自の内容は社内の人間が行うというパターンです。

2.一方で、社内において研修を行うと出てくる声が、「なかなか厳しいことが言えない、言いにくい」というものです。そのため、社外には特に、「厳しさ」を求めるケースがあります。

3.この「厳しさ」というものは、研修会社や講師によって、千差万別ともいえるでしょう。「厳しさ」という言葉を辞書で確認すると、「人にこわい感じを与えるような、厳しい様子、威圧的な様子」や「厳格で、なさけ容赦がないこと」等と記されています。誤解されがちなのが、講師が怖い表情で、きつい口調で指導すれば研修効果が上がるのか、ということです。

4.私ども、株式会社新規開拓におきましては、厳しさの定義を以下の五つとしています。「私心がないこと」「見逃さないこと」「具体的であること」「率直であること」「本質をつくこと」です。このように厳しく指導することの狙いは、良い行いを定着させ、悪い行いを矯正するということです。

社外に研修を発注する時に失敗しないためにはどうしたらよいでしょうか

失敗するパターンというのは、「任せっぱなし」というもの。研修を単発イベントにしないことが非常に重要です。受講前の事前の動機づけ、受け入れる現場の上司や先輩への情報提供と共有、また新入社員研修実施後のフォロー体制が大切です。人は忘れる生き物です。好ましくない習慣を直すには、多大なる時間を要します。また、良い習慣、新たな習慣を手に入れるには想像を超える労力と決意が必要ではないでしょうか。

そのためにも、新入社員を指導する関係者全員が新人に対して「大いに期待」するとともに、「モデルを示」し、「本気と情熱」を持って指導育成にあたる必要があります。そして、できたことはその場ですぐに褒め、できていないことは繰り返し指導をして一人前に育てていかねばなりません。何よりも大事なのが、部下の指導育成を「本来業務」と捉えることです。

どんなに集合型研修等でトレーニングを積んだとしても、現場が180度異なる状況、真逆の状況の場合、新人の皆さんはどうなると思いますか?いくら研修で習得したとはいえ、現場の空気になじんでいくのが自然の摂理です。現場と逆行した行動を取り続けられるほどの強靭な心を持った人間はいないのではないでしょうか。

最後に、できるだけ早いタイミングで行ったほうがよいのが、学生と社会人とのマインドの切り替えです。これが不十分だと、せっかくの研修も、学生気分で受講してしまうため、歩留まりが悪くなってしまいかねません。

新入社員研修の具体的なプログラム例

期間を決めるにあたって、どのような内容を行えばよいのか、具体的な内容を記しておきます。参考にしていただければ幸いです。

1.会社の経営理念、ビジョンの理解とその実現

2.社会人として身につけるべき能力(主体性、チームワーク、考える力)

3.ジネスマナー(挨拶、名刺交換、言葉遣い、電話応対)

4.業務に直結した内容(営業職であれば、営業の一連の流れ)

5.自社独自の商品やユニークなサービスの知識

6.業務に必要な周辺知識(コンプライアンス、関連法規、社内ルール等)

7.PDCAサイクルの回し方

8.ビジネスコミュニケーション(報告・連絡・相談、雑談力など)

9.メールの書き方、送付の仕方

具体的な実施内容のおすすめ例は、一回聞いただけで理解できるものと、身体を使い何度もトレーニングが必要なものとに分けることです。「頭で分かる」と「できる」は、意外と難しいことです。そのため、ビジネスマナーにおいてもトレーニングが必要なものは、例えば週に1回、月に1回など頻度を決め、反復練習を行いましょう。

新人研修の効果を持続させるために必要なこととは

会社として大事にしていることは、毎年必ず継続して伝えていくのが必要不可欠です。それによって、良き社風が出来上がっていくからです。研修導入を希望する企業様から、「新入社員には『上司や先輩へ、良い刺激を与えてほしい、カンフル剤の役割を担って欲しい』です」という要望をいただくことがあります。もちろん、そうなると一石二鳥です。

しかしながら、多くの企業様の研修を担当させていただいて感じるのは、そうなるためには、ある条件が欠かせないということです。それは、「上司や先輩が共通言語・認識を持っている」というものです。これらがない場合は、いくら新人の皆さんの元気が良かったとしても、満足いくほどの刺激を与えるのが難しいと言わざるを得ません。

なぜならば、「どうして挨拶が重要なのか」という認識がない先輩社員が、元気よく挨拶する新入社員を見て、「これは素晴らしい!真似しよう!」と思うでしょうか。「今年の新人は元気がいいな」または、「今年の新人は挨拶ができるな」くらいにしか捉えることができないのではないでしょうか。

だからこそ、会社として大事なことは、毎年続けていくことが重要なのです。前年や前前年に挨拶の重要性について認識していれば、新人の皆さんの挨拶を見て、初心を思い出し、行動を改めることができるのです。

是非とも、新入社員育成を担当する部署や関係者の皆さまには、強い信念を持ち、「何が何でも、将来自社を背負っていく社員を育てるんだ!」という気概を持ち、育成に臨んでいただきたいです。

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