本記事は、新入社員研修のカリキュラムの内容・中身について網羅的にまとめた記事です。
新入社員研修に取り入れるべきカリキュラム・内容は、職種にもよりますが、ズバリ以下の6種類が一般的です。
| カリキュラム・内容 | 目的 |
|---|---|
| ビジネスマナー | 社会人としての基本動作を身につけ、信頼関係の土台を築くため |
| コミュニケーションスキル | 社内外の関係者と良好な関係を築き、円滑に業務を進めるため |
| ビジネススキル | 業務を効率的・効果的に進め、成果を出すため |
| 企業理解・業界知識 | 企業理解・業界知識系の研修は、自社や業界への理解を深め、組織の一員としての自覚と帰属意識(エンゲージメント)を高めるため |
| ITリテラシー | ITリテラシー系の研修は、業務に必要なITツールを使いこなし、生産性を高めるとともに、情報セキュリティの基本を守るため |
| コンプライアンス・倫理系 | コンプライアンス・倫理系の研修は、企業活動における法令遵守と倫理観を養い、リスクを回避するとともに、健全な職場環境を作るため |
職種に合わせて取り入れるべき内容は少しずつ異なります。
以下より、具体的な内容例・必要な職種について解説していきます。
以下の記事では、「新入社員研修のやり方」について総合的・網羅的にまとめています。あわせてご覧ください。
新入社員研修のカリキュラムの具体的な作成方法については、下記の記事で解説しています。
1.「新入社員(新卒)研修」のカリキュラムの内容例 一覧
新入社員(新卒)研修で一般的に行われているカリキュラムを大きく6つの系統に分類し、それぞれの内容を一覧形式で例示します。
ご覧になりたい系統をお選びください。
ビジネスマナー系のカリキュラム 内容例 一覧
ビジネスマナー系の研修は、社会人としての基本動作を身につけ、信頼関係の土台を築くための研修です。
特に以下のような職種が行うと良いでしょう。
- 営業全般:顧客と直接接する機会が多く、企業の第一印象を左右するため。
- IT業界のカスタマーサポート:顧客の課題解決にあたり、安心感と信頼感を与える対応が不可欠なため。
- 金融業界の事務職:正確性とともに、顧客の大切な資産を扱うプロとしての品位ある振る舞いが求められるため。
具体的な内容例は以下のとおりです。
| ビジネスマナー系①:身だしなみ・服装の基本 | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| TPOに応じた清潔感のある身だしなみを自ら整え、相手に不快感を与えない状態。 |
|
| ビジネスマナー系②:挨拶・言葉遣い(敬語・電話応対) | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 状況に応じた正しい言葉遣いと明るい挨拶ができ、基本的な電話応対がスムーズに行える状態。 |
|
| ビジネスマナー系③:名刺交換・来客対応・訪問マナー | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 名刺交換や来客・訪問時の基本動作を理解し、相手に失礼のない対応ができる状態。 |
|
| ビジネスマナー系④:ビジネスメール・チャットの作法 | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 状況に応じた適切なツール(メール・チャット)と表現で、円滑なテキストコミュニケーションができる状態。 |
|
| ビジネスマナー系⑤:報連相の基本 | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 適切なタイミングと方法で、事実と意見を区別して簡潔に報連相ができる状態。 |
|
「新入社員(特にZ世代)のビジネスマナーの目的や上手く実施するコツ」については以下の記事で詳しく解説しています。
コミュニケーションスキル系のカリキュラム 内容例 一覧
コミュニケーションスキル系の研修は、社内外の関係者と良好な関係を築き、円滑に業務を進めるためのスキルを磨きます。オンライン環境下でのコミュニケーションも重要な要素です。
特に、以下のような職種が行うと良いでしょう。
- 看護師や医療事務:患者やその家族、多職種のスタッフとの正確かつ温かいコミュニケーションが求められるため。
- 広告業界の企画職やディレクター:クライアントの意図を汲み取り、制作チームと協働してアイデアを形にする必要があるため。
- ホテルスタッフ:多様な顧客のニーズを察知し、質の高いサービスを提供するための対話力が不可欠なため。
具体的な内容例は以下のとおりです。
| コミュニケーションスキル系①:傾聴力のトレーニング | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 相手の話を最後まで聴き、言葉だけでなく感情や意図も理解しようとする姿勢が身についている状態。 |
|
| コミュニケーションスキル系②:アサーティブコミュニケーション | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 相手を尊重しつつ、自分の意見や感情を率直かつ適切に表現できる状態。 |
|
| コミュニケーションスキル系③:報連相の実践 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 状況判断に基づき、必要な情報を必要な相手に、適切なタイミングと方法で確実に伝えられる状態。 |
|
| コミュニケーションスキル系④:フィードバックの受け方・伝え方 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 他者からの指摘を成長の機会として前向きに受け止め、他者への指摘も建設的に行える状態。 |
|
| コミュニケーションスキル系⑤:グループワークやディスカッションでの実践練習 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| チームの一員として、目的達成に向けて積極的に議論に参加し、他者と協働できる状態。 |
|
ビジネススキル系のカリキュラム 内容例 一覧
ビジネススキル系の研修は、業務を効率的・効果的に進め、成果を出すための基礎的な実務能力を習得できます。
特に、以下のような職種が行うと良いでしょう。
- メーカーの商品企画:市場のニーズを論理的に分析し、新商品のコンセプトを分かりやすく企画書にまとめる必要があるため。
- 金融業界の商品開発:複雑な金融商品を設計する上で、論理的思考力や緻密なタスク管理能力が求められるため。
- 商社の法人営業:複数の顧客や案件を同時並行で進めるためのスケジュール管理能力や、提案資料作成能力が不可欠なため。
具体的な内容例は以下のとおりです。
| ビジネススキル系①:PDCAサイクルの理解と実践 | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 業務をPDCAサイクルで捉え、計画・実行・評価・改善のプロセスを自律的に回せる状態。 |
|
| ビジネススキル系②:タスク管理・優先順位のつけ方 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 抱えているタスクを可視化し、重要度と緊急度に基づいて適切に優先順位をつけ、抜け漏れなく進められる状態。 |
|
| ビジネススキル系③:スケジュール管理、ToDo管理 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| デジタルツールなどを活用してスケジュールとToDoを一元管理し、期限を守って計画的に業務を遂行できる状態。 |
|
| ビジネススキル系④:ロジカルシンキング・問題解決思考 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 物事を論理的に構造化して考え、問題の本質を見極めて解決策を導き出せる思考の土台ができている状態。 |
|
| ビジネススキル系⑤:資料作成の基本(わかりやすい伝え方) | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 目的と読み手に合わせて、結論が明確で視覚的にも分かりやすい資料の基本構成が作れる状態。 |
|
企業理解・業界知識系のカリキュラム 内容例 一覧
企業理解・業界知識系の研修は、自社や業界への理解を深め、組織の一員としての自覚と帰属意識(エンゲージメント)を高めます。
特に、以下のような職種が行うと良いでしょう。
- 商社全般:自社の強みや業界内での立ち位置、商流全体を理解していないと、顧客への最適な提案ができないため。
- 通信・インフラ業界全般:社会基盤を支えるという事業の社会的意義や責任の重さを深く理解する必要があるため。
- 不動産業界全般 など:市場動向や法規制の変化が激しく、業界構造やトレンドを常に把握しておく必要があるため。
具体的な内容例は以下のとおりです。
| 企業理解・業界知識系①:企業理念・ビジョン・経営方針の説明 | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 自社の理念・ビジョン・経営方針を理解し、自分の日々の業務が会社の方向性とどう繋がっているかを語れる状態。 |
|
| 企業理解・業界知識系②:会社の歴史と文化、組織構成 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 自社の歴史や文化的背景を知り、組織全体の構造と各部門の役割を理解して、組織の一員としての帰属意識を持っている状態。 |
|
| 企業理解・業界知識系③:主な事業内容・サービス・製品 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 自社の主要な商品・サービスの特徴や強み、顧客への提供価値を理解し、自分の言葉で簡潔に説明できる状態。 |
|
| 企業理解・業界知識系④:業界構造・主要な競合・市場動向 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 所属する業界の基本構造や競合状況、市場トレンドを把握し、マクロな視点で自社の置かれている環境を理解している状態。 |
|
| 企業理解・業界知識系⑤:今後の戦略と期待される役割 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 会社の将来戦略を理解し、新入社員として自分に期待されている役割や行動を認識して、主体的に目標を設定できる状態。 |
|
ITリテラシー系のカリキュラム 内容例 一覧
ITリテラシー系の研修は、業務に必要なITツールを使いこなし、生産性を高めるとともに、情報セキュリティの基本を守るための研修です。
特に、以下のような職種が行うと良いでしょう。
- 事務職全般:PC操作やOfficeツール、社内システムを効率的に使いこなすことが、業務スピードと正確性に直結するため。
- 人材系のキャリアアドバイザー:求職者データや企業情報を扱うため、高い情報セキュリティ意識と、効率的な顧客管理ツールの活用が求められるため。
- マーケティング担当 など:データ分析やデジタルツールを活用した施策実行が主業務となるため、基礎的なITスキルが必須であるため。
具体的な内容例は以下のとおりです。
| ITリテラシー系①:PC基本操作、社内システムの使い方 | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 貸与PCの基本操作やセキュリティ設定を理解し、勤怠管理や経費精算などの社内システムを自力で操作できる状態。 |
|
| ITリテラシー系②:Officeツール(Word/Excel/PowerPoint) | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 業務で頻出するOfficeツールの基本機能を理解し、簡単なビジネス文書や表、資料を作成できる状態。 |
|
| ITリテラシー系③:オンライン会議ツール(Zoom/Microsoft Teams) | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 主要なオンライン会議ツールの基本操作を習得し、マナーを守ってスムーズに会議に参加・進行できる状態。 |
|
| ITリテラシー系④:情報セキュリティ・個人情報保護 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 情報セキュリティの重要性と基本的な脅威を理解し、パスワード管理やデータの取り扱いなど、定められたルールを遵守できる状態。 |
|
| ITリテラシー系⑤:クラウド・チャット・共有ドライブの使い方 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 社内で利用するクラウドストレージやチャットツールのルールを理解し、適切な権限設定でファイル共有や情報共有ができる状態。 |
|
コンプライアンス・倫理系のカリキュラム 内容例 一覧
コンプライアンス・倫理系の研修は、企業活動における法令遵守と倫理観を養い、リスクを回避するとともに、健全な職場環境を作るための研修です。
特に、以下のような職種が行うと良いでしょう。
- 金融業界全般:金融商品取引法など、遵守すべき法令が多岐にわたり、わずかな違反が重大な信用問題に発展するため。
- 医療業界全般:患者の生命や健康に関わるため、高い倫理観と医療関連法規への厳格な遵守が求められるため。
- 商社全般:国内外の多様な取引先と関わるため、贈収賄防止や輸出管理など、グローバルなコンプライアンス基準を理解する必要があるため。
具体的な内容例は以下のとおりです。
| コンプライアンス・倫理系①:コンプライアンスとは何か(法令遵守の基本) | |
|---|---|
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| コンプライアンスの重要性を理解し、自分の行動が会社や社会に与える影響を意識して、法令や倫理に基づいた判断ができる土台ができている状態。 |
|
| コンプライアンス・倫理系②:会社の就業規則・社内ルールの理解 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 就業規則や主要な社内ルールの内容と目的を理解し、不明点があれば自分で確認方法がわかる状態。 |
|
| コンプライアンス・倫理系③:ハラスメント(パワハラ・セクハラ・マタハラ等)防止 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| ハラスメントの定義とリスクを正しく理解し、加害者にならないための言動を意識できるとともに、被害に遭ったり目撃したりした際の適切な対応方法を知っている状態。 |
|
| コンプライアンス・倫理系④:個人情報・機密情報の取り扱い | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 個人情報や機密情報の重要性を認識し、定められた管理ルールに従って適切に取り扱い、情報漏洩リスクを回避できる状態。 |
|
| コンプライアンス・倫理系⑤:SNSやネットリテラシーの基礎 | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| SNS利用のリスクを理解し、私的な発信であっても会社の信用を損なわないよう、情報リテラシーに基づいた慎重な行動がとれる状態。 |
|
| コンプライアンス・倫理系⑥:内部通報制度やリスクの早期発見の大切さ | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 内部通報制度の目的と仕組み、通報者保護について理解し、不正やリスクを発見した際に適切な窓口へ相談・報告することの重要性を認識している状態。 |
|
| コンプライアンス・倫理系⑦:事例を使ったグループディスカッション(〇〇なとき、どうする?) | |
| 研修後のゴール(期待される状態) | 内容例 |
| 具体的なグレーゾーン事例を通じて、コンプライアンスや倫理の観点からどのように判断し行動すべきかを考え、自分なりの行動基準を持てる状態。 |
|
- 【2026年度版】新入社員(新卒)研修の「やり方・組み立て方」の基礎知識
- 新入社員研修の目的と、対応するカリキュラム 一覧|具体例で分かりやすく紹介
- 新入社員研修カリキュラムの作り方を解説
- 「新入社員研修」はいつから、どれくらいの期間やると効果的か?








